ジェーン・スー『ひとまず上出来』を読んだ感想

「ひとまず上出来」を読んだ感想読み物
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内容紹介

ジェーン・スーさんのエッセイ本で、2016年6月号〜2020年12月号『CREA』連載、「●●と▲▲と私」に加え2021年春号「女と筋肉と人生」、秋号「ラブレター・フロム・ヘル、或いは天国で寝言。」を加筆したものになっています。

ジェーン・スーさんとは?

はじめに、スーさんを知らない人もいると思うので簡単にご紹介。コラムニストやラジオパーソナリティで、TBSラジオ「ジェーン・スー 生活は躍る」や、ポッドキャストの「ジェーン・スーと堀井美香の『OVER THE SUN』」のパーソナリティとして活躍されています。

わたしがスーさんにハマったきっかけ

『生きるとか死ぬとか父親とか』や『私がオバさんになったよ』の本などをきっかけに歳を重ねていくことを愉快に伝えてくれるこんな先輩が身近にいてくれたら面白いだろうな〜と思い、時々ラジオも聴いていました。

そんな中、職場の人から『OVER THE SUN』を勧められ、完璧にハマってしまいました。
スーさんと美香さんのラジオは、まるで自分と友人の会話を見ているよう。良くも悪くも女性のまとまりがあるようでない、突拍子がないんだけれど繋がっている、他愛もない話が続く会話。合間合間で共感の嵐!
友人との楽しい時間がコロナで今はほとんど取れず、スーさんと美香さんの会話を聴きながら自分もそのコミュニティに参加させてもらっているような心地よいラジオに救われています。
スーさんのひと言から始まるオープニング、「よくぞ金曜日まで辿り着きました」が心に馴染み、気がつけば自分を褒めることが苦手だったわたしがスーさんのかけ声と共に少しずつ労わり方を学ぶことができているような実感があります。
(はっ!本じゃなくてラジオの話になってる!!)

そんなスーさんのエッセイ本です。
「そうだよねえ」と頷いた例を少し…

家のことをおざなりにしていると、ひとり暮らしでも家に居場所がなくなるという発見

一昔前の頑張りへの失笑ともまた異なる、不穏な同調圧力をここ数年感じます。
「頑張り過ぎだよ」ではなく、「頑張ってるね。応援してる」と、温かいミルクティーを淹れてあげてもいいじゃない。ー
頑張ることが楽しいって価値観、消滅させなくてもいいと思う。
頑張れないと思ったら「頑張らない」と言い直すのはどうでしょうか。可能/不可能の話ではなく、意思の問題にしてしまえば少しは気が楽になると思います。

スーさんのラジオ同様、「あなたにはあなたの物語」があるよと受け入れてもらえているような大きさと、はたまた「人生はこれだから面白い!」と先頭を歩いてくれているような心強さを感じる。

なんとなくではもうチヤホヤされなかったり、今まで気にならなかった身体の不調や老いを感じたり、歳を重ねることにビクビクしていたけれどスーさんの更年期の不安定さを「第二の思春期」と表現する豊かさにフッと肩の力が抜けました。
どうせ通る道なら楽しい方が良いに決まってる!

一緒に迷いながら、いざという時道標になってくれる先輩!そんなスーさんのエッセイ本は、日常を頑張りすぎてしまいがちな友人にプレゼントしたい一冊です。

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