
昨年の11月に出かけた瀬戸内の旅。ブログに書こうと思いながら、気がづけばあっという間に半年が過ぎていました。遅ればせながら、これから瀬戸内を旅する方のヒントに少しでもなればうれしいなと思い、旅の記録を振り返ってみようと思います。
1日目: 岡山で現代美術に親しむ
11:50 岡山空港着
羽田空港から1時間半のフライトを経て、初めて訪れる岡山県にやってきました。
手荷物受取所でスーツケースを待っていると、ベルトコンベアに乗って流れてきたのは……なんと桃太郎!

そのユニークな演出に、到着早々ほっこり。岡山、なんだかもう好きになりそうです。
12:10 リムジンバスで岡山駅へ
バスに乗ること30分、岡山駅に到着。
本当は「王子が岳」で夕日を見ることが岡山での一番の目的でしたが、残念ながら雨模様。
急遽、バスの中でプランを練り直し…岡山駅から少し離れた場所にありますが、雨でも楽しめる「奈義町現代美術館」を訪れることに決めました。
12:50 岡山駅でレンタカーを借りる
まずは、岡山駅から徒歩2分のところにある「ガッツレンタカー」で事前に予約していたレンタカーをピックアップします。
13:15 パン屋さん フクラムフクラム でランチ
旅の始まりは地元の方から愛されるパン屋さん「フクラムフクラム」に立ち寄り腹ごしらえ。
白くて可愛らしい建物の中には思いがけないほどたくさんのパンが並んでいて、驚きました。

なににするか悩みながら「チョリソー」、「オリーブオイルの塩パン」、「大人のエッグタルト」ををチョイス。ひとつひとつが丁寧に作られていて、やさしい味わいでした。
電話 | 086-207-6215 |
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住所 | 岡山県岡山市中区今在家84−4 |
営業時間 | 9:00~17:00 |
定休日 | 日・月曜日・祝日(土曜日が祝日の場合は営業) |
15:20 奈義町現代美術館
車を運転することおよそ1時間半、奈義町現代美術館に到着!
奈義町現代美術館は、作品と建物が半永久的に一体化したちょっと不思議な美術館です。
「太陽」「月」「大地」と名付けられた3つの展示室があり、そのユニークな構造は、館内に足を踏み入れることで少しずつ明らかになります。

螺旋階段を上がった先に現れるのは、「太陽の部屋」。SNSでもよく見かける、あの空間です。

その独特な空間に身をゆだねると、徐々に平衡感覚が失われ、足元が不安定になり不思議な感覚に包まれました。
電話 | 0868-36-5811 |
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住所 | 岡山県勝田郡奈義町豊沢441 |
営業時間 | 9:30~17:00(入館は16:30まで) |
定休日 | 月曜日(月曜日が祝日の場合は開館) |
18:00 レンタカー返却
レンタカーを返したら、夕ごはんの前に荷物を置きに一度ホテルへ。
今日は移動が多かったので、少し休憩しながらゆっくりお店を探そうと思います。
18:20 東横INN岡山駅東口チェックイン
今回のお宿は、駅からすぐの「東横INN岡山駅東口」。
レンタカーを借りた「ガッツレンタカー」の目の前にも東横INNがあって、ついそちらへ向かってしまったのですが、そちらは「東横INN岡山駅西口広場」でした。惜しい…
20:00 はしや 岡山一番街で夕ごはん
特に行きたいお店を決めていなかったけれど、「せっかくだから、岡山らしい味を楽しみたいね」とたどり着いたのが「はしや 岡山一番街」。
金曜の夜はどこのお店も賑わっていたので、もし「ここで食べたい!」というお店がある方は、事前に予約をしておくのが安心です。

私は岡山の名物「ドミかつ丼」をいただきました。お腹がすいていたため、あっという間に完食。
電話 | 086-235-0835 |
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住所 | 岡山県岡山市北区駅元町1-1 岡山一番街B1 |
営業時間 | 11:00~22:00(L.O. 21:30) |
明日の朝は5時起きの予定なので、ホテルに戻ってゆっくり休み、翌日に備えます…!
2日目:宇野港からフェリーで小豆島へ
7:26 宇野駅に到着
岡山駅から電車に揺られることおよそ1時間。宇野駅に降り立つと、アート作品が現われ、まだ朝の眠気が残っていたはずなのに、2日目の気分が一気に高まってきました。

ひとまずホテルに荷物を預けて、あとでゆっくり駅周辺を歩いてみよう。
7:30 UNO HOTELにチェックイン
本日のお宿は、宇野駅からすぐにある「UNO HOTEL」。
シンプルでスタイリッシュな外観が印象的なホテルです。

荷物を預けて身軽になったところで、さっそくアート巡りへでかけましょう。
7:45 宇野駅&宇野港周辺を散策
宇野駅から港までは、歩いてわずか5分ほど。
駅のホームや港のまわりには、思わず足を止めたくなるアート作品があちこちに点在しています。

早起きした朝だからこそ味わえる、澄んだ空気のなかでのフォトウォーク。
シャッターを切るたびに、旅の思い出がひとつずつ増えていく、この時間がたまらなく好きです。

8:40 宇野港発 ⇔ 土庄港(9:40着)
「土庄港」まではフェリーでおよそ1時間の船旅。
片道チケット(大人1,260円)は、赤い看板に「豊島・小豆島行き」と書かれた窓口で購入します。
今回は旅の目的地、「小豆島」が物語の舞台となった角田光代さんの「八日目の蝉」をお供に。

夢中でページをめくっていた手をふと止め、顔を上げると宇野港の景色がよみがえり、主人公・希和子がこちらを見送っていたような気が… そんな想像に耽っていると、もう小豆島が見えてきました。
10:00 小豆島観光でレンタカーを借りる
小豆島での移動にはレンタカーが便利。
私たちは「小豆島観光レンタカー」で10時から予約していました。予約時間まで少し余裕があったので、港の周辺を散策。

電話 | 0879-62-8555 |
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住所 | 香川県小豆郡土庄町土庄港 |
営業時間 | 9:00~18:00 |
10:30 はじまりの刻
小豆島も訪れるのは今回が初めて。さっそく、この島を代表するアート作品の1つに出会うことができました。
「はじまりの刻」は、人気のフォトスポットとしても知られていますが、自然の中にそっと寄り添うように置かれた作品は、朝の静けさの中で見ると格別。作品が纏う独特の雰囲気を、じっくりと感じることができました。

住所 | 香川県小豆郡土庄町屋形崎 |
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11:00 kamos でランチ
私たちは事前に予約をして訪れましたが、開店前からすでにお店の前にはお客さんの姿が。
訪れる際は、予約をしていくのが安心かもしれません。
店内はセンスのいいインテリアが並び、開放感たっぷりのテラス席もあります。

少食な私たちは、2人で1枚のピザをシェアしましたが、本格的なピザが美味しくて、1人1枚にすればよかったね、と話したほどでした。
電話 | 0879-62-8731 |
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住所 | 香川県小豆郡土庄町甲吉ヶ浦6190-80 |
営業時間 | 11:00~14:00(売り切れ次第終了) |
定休日 | 月曜日(祝日の場合は営業) |
12:20 オリーブ公園
ここ小豆島は、実写版『魔女の宅急便』のロケ地としても有名です。
キキ気分を味わえる「魔法のほうき」の貸し出しも行っています。これがなかなか人気で…見つけるのにも一苦労。ようやく手にして、高台にある「ギリシャ風車」を目指します。

念願の魔法のほうきを手に、まさにキキのような写真を撮りたかったのですが、これがなかなか難しくて。飛んでいるように見せるのは早々に諦め、気がつけばなんだか風紀委員のような写真に…

電話 | 0879-82-2200 |
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住所 | 香川県小豆郡小豆島町西村甲1941-1 |
営業時間 | 8:30~17:00 |
13:50 MINORI GELATO
飛んだり、写真を撮ったりしていたら小腹が空いてきたので小休憩にすることに。
MINORI GELATOは、小豆島の旬の食材をふんだんに使ったジェラート屋さんです。

素材の味がしっかりと活かされていて、とても好みの味わいでした。
ひと口食べた瞬間、甘いものに目がない夫の顔がふと浮かび、「きっと彼も気に入るだろうなぁ。食べさせてあげたいな」と思わずにはいられないほどの美味しさでした。
電話 | 0879-62-8181 |
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住所 | 香川県小豆郡小豆島町草壁本町1055-2 |
営業時間 | 12:00~18:00(L.O. 17:45) |
定休日 | 水・木曜日 |
14:40 ヤマロク醤油
午後になるにつれて、空模様があやしくなってきたため、屋内でも小豆島らしさを感じられる場所を探して、向かったのは創業150年という歴史を持つ「ヤマロク醤油」さん。
予約なしでも、温かく迎えてくださいました。
蔵の中は、豊かな醤油の香りに満ちています。

貴重なもろみ蔵を見学させていただいた後は、数種類の醤油をテイスティングさせていただきました。普段、何気なく食卓に並ぶ醤油ですが、それぞれに個性豊かな風味があることに改めて気づくことができ面白かったです。
搾ったまんまの生きた菌が詰まっているという言葉に惹かれて、秋から冬だけの特別な鶴醤をお土産に。旅の後も食卓で小豆島を感じれられるのが楽しみです。

電話 | 0879-82-0666 |
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住所 | 香川県小豆郡小豆島町安田甲1607 |
営業時間 | 9:00~17:00 |
15:20 オリーブリーゼント
最後に立ち寄ったのは「オリーブリーゼント」。
近くの駐車場に車を停めて、「この道で合っているのなか?」と少し心配になりながら住宅街を歩いていくと、ぽつんと現れる愛らしいオリーブのオブジェ。

その可愛らしいフォルムに思わず「見つけた!」とうれしい気持ちに。小豆島には心が躍るようなフォトスポットが本当にたくさんあるんですよね。
住所 | 香川県小豆郡小豆島町馬木甲262 |
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16:00 レンタカー返却
帰り道、ちょうどポツポツと小雨が降ってきました。
ギリギリお天気がもってくれたことに感謝しながら、真っ直ぐ港へと向かいます。
レンタカーを返却後は、フェリーの出発まで時間に余裕があったので、土庄港観光センターでお土産売り場を見たり、おやつを調達したりして待合所でゆっくり過ごしました。
17:50 土庄港発 ⇔ 宇野港港(19:20着)
今回小豆島を訪れて驚いたのは、その広さでした。直島と近いエリアにあることから、もっとコンパクトな島をイメージしていたのですが、実際はレンタカーが便利で、日帰りでは足りないくらい見どころが豊富でした。
島旅はお天気に左右されがちですが、小豆島では、オリーブ公園や醤油蔵見学まで、雨でも楽しめるスポットがたくさんあります。特に、長い歴史に培われた食文化に触れる体験は、大人だからこそ深く楽しめるもの。小豆島は、大人の旅先にぴったりだと感じました。

19:45 UNO HOTEL
翌日も早いので、夕食は近くのコンビニで調達して、ホテルのシェアリングスペースでいただきます。

ペットボトルの水やアイスが用意されていて、ちょっとした心遣いがうれしいポイントでした。
お風呂は隣接する「たまの湯」も利用できます。
今回は館内のシャワーで済ませましたが、「たまの湯」には岩盤浴やサウナもあるみたい。時間があれば、ぜひ行ってみたかったです。

お部屋はセパレートルームに宿泊。ドミトリータイプに宿泊すること自体が初めての経験でしたが、しっかりとした仕切りがあり、女性専用スペースも完備されているので安心して過ごせました。
何より2021年7月にオープンしたばかりで設備が新しく、とても綺麗です。
港へのアクセスも良く、島旅の拠点としてとてもおすすめ。
3日目: 直島でアート巡り
旅もいよいよ最終日。今朝も早起きをして、フェリーで直島へ向かいます。
7:20 宇野港発 ⇔ 宮浦港(7:40着)
直島を前回訪れたのは7年前。
あの時は直島に泊まり時間をかけて巡ったのですが、今回は日帰りです。限られた時間の中で、どんな楽しみ方ができるのか…少しドキドキしながら、久しぶりの直島との再会に心を弾ませています。

フェリーを降りると、目に飛び込んでくるのは、あの鮮やかな赤かぼちゃ。
何度もみてもうれしくなるこの島のシンボルの存在感に、直島に来た実感がぐっと湧いてきます。

8:00 電動自転車を借りる
坂道が多い直島の観光には、電動自転車がとても便利。
今回は「おうぎや」で電動自転車をレンタルして、島巡りをスタートします。

住所 | 香川県香川郡直島町宮浦2249-40 |
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営業時間 | 8:00~18:00 ※冬期(12月、1月、2月) 8:30~18:00 |
8:30 ミカヅキショウテンでモーニング
小さなスペシャルティコーヒースタンド「ミカヅキショウテン」で、こだわりのコーヒーとスコーンをいただきながら、ゆったりとしたモーニングタイム。

店内にはオリジナルTシャツや旅にまつわるグッズなども置いてあって、コーヒーを待つ間についつい手に取って眺めてしまいます。
海外からの観光客の方も多くて、直島は国際的にも人気の観光地なのだなと感じました。
電話 | 087-813-1322 |
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住所 | 香川県香川郡直島町2291-5 |
営業時間 | 8:30~17:00 |
定休日 | 木曜日 |
9:00 島めぐり
戻りのフェリーまでのおよそ2時間を使って、島めぐりを楽しみます。
自転車を走らせていると、自然とアートが一体となった光景があちらこちらにあって、7年前の記憶が少しずつ蘇ってきました。

ふと目に留まり立ち止まったのは、木製の「NAOSHIMA」のフォトスポット。シャッターを切ると、後ろにはちょうどフェリーが写り込んで、思いがけずお気に入りの一枚になりました。

前回訪れた時にも撮影したこちらのアート。
直島には、圧倒的な存在感を放つ大きなアートもあれば、ふと足元や道の片隅に、宝物のようにひっそりと佇むアートもあります。そんな島の魅力を隅々まで味わうには、小回りのきく自転車がとても便利です。
11:10 宮浦港発 ⇔ 宇野港港(11:30着)
あっという間にフェリーの時間に。
コンパクトながらも見どころが詰まっていて、自然とアートが美しく調和している直島は、ユニークで特別な島だなと改めて感じます。

アート作品との出会いはもちろんのこと、その土地の匂いや、頬をかすめる風を全身で感じながら進む自転車の旅は、記憶がより深く、鮮やかなものになっていく気がして、私にとって少し特別なんですよね。そういえば、私が島旅を好きになったきっかけは、振り返ると直島からでした。
今回は私が2回目、友人は3回以上の訪問だったので日帰りでも充分楽しめましたが、初めて直島を訪れる方には、ぜひ少なくとも一泊はしてゆっくりと島の雰囲気を味わっていただきたいなと思います。
12:30 宇野駅からバスで岡山駅へ
直島での時間を名残惜しく感じながら、宇野駅へ。
そこからバスで岡山駅、リムジンバスで岡山空港へと向かい、東京への帰路につきました。
岡山・宇野港を起点とした2泊3日のアート島旅。
これから瀬戸内海の島々を巡ろうと考えている方の参考になればうれしいです。